打ち捨てられた躯体から都市の住リノベーション


もともと8住戸からなる集合住宅として計画されていたが、躯体工事が完了した時点で建設会社が倒産し、放置された工事現場がありました。

その躯体に可能性を感じた施主は、躯体ごと土地を買い取った。それが「Y-House」です。

我々が初めて現場を訪れたとき、現場にはまだ脱型していない型枠が放置されていたり、地下部分には雨水が溜まっていて入れないような状況だったが、そんな、一見廃墟とも思える建設途中の建物に、自らの夢を重ねてみることのできた施主の想像力に感心しました。

コンクリート壁式構造の躯体は、間口3mほどの、短冊状の部屋を作り出していた。我々が提案したのは再度、構造計算をやり直した上で、一部のコンクリート壁を切り取り、細切れになっている空間をつなげて一つの大きな空間にするということであった。

もともと小さな吹き抜けを持ったメゾネット形式の住戸などもあったため、何箇所かの壁を抜くと、曲がりくねった一続きの空間ができあがりました。

未竣工の躯体を利用しているということで、法的にはあくまでも新築工事に分類されています。

しかし、操作はリノベーションそのものであり、廃墟を再生していくおもしろさがありました。

工事予算は少額とは言えないが、コンクリート工事以降の、断熱や防水を含む外装仕上げ、サッシやガラスの取り付け、各種設備機器の設置などの工事をしていくと、内装工事にはあまり予算を割けないことが明白でした。

そのため、限られた予算の中でも(範囲は限定されたが)、外断熱を施し、天井・壁、さらに床も含めてコンクリート打放しを基本とし、リビングやキッチン、寝室などに、床・壁・天井を一つながりにした“帯~LOOP(ループ)”を挿入して、生活のための背景としました。

ループとループの間は空白の部分として、躯体のまま残しています。

なお、それぞれのループは床、壁、天井ともに同じ仕上げとし、一体感を持たせることに留意しました。

内装は、リビングを鉄板で、キッチン・ダイニングは竹の集成材で、主寝室は木目の美しいタモ材、子供室はデニム、ゲストルームはファイバーボードなど、それぞれの場に必要な機能や雰囲気にあわせて素材を選択しました。

また、外断熱を採用し、内部仕上げを床、壁、天井ともにコンクリート打放しを基本としています。

2005年グッドデザインアワード受賞、2006年インテリアプランニングアワード受賞しました。

概要
作品名 Y-HOUSE
ジャンル 団地・マンション・ワンルーム , 自宅
所在地 東京都神宮前
ランク・ラ・リヴィエレ

フランク・ラ・リヴィエレ

ともに作り上げる「心地のよい住まい」