愛犬と暮らす家|一軒家・自宅


2013年3月下旬。滋賀県で新築の相談がありました。

敷地は元山城で、矢場跡も隣接する。素晴らしい自然環境とは裏腹に、市街化調整区域で敷地内に古墳まであり、法規制をクリアするのに随分と時間を要した。 正門にある冠木門には、織田信長に攻められたと記載がありました。

正面を守る堀、山側を守る5mの土塁が、この地を守ってきた。 城はこの場所に500年以上前から存在する。後に地図上に引かれた線に効力があると言っても、クライアントは納得しないものだ。 旧母屋は林に家が寄りすぎており、日当たりを十分活かせていなかった。また、敷地の形に合わせて、南西に開いており、夏の西日に苦労をしていた。 現在の離れがそうなのだが、これに対して建物を45度振り、真南を向くよう配置し直しました。

また、林との距離を十分にとり、中央に吹抜けを設け、奥深くまで光が届くプランを考えた。1階はへの字のプランとなり、この形状がキッチンからリビングへの視線の抜け感を向上させる。 >離れとの関係を保つ為、南西を向いている壁がある。リビングにあたるが、これらの開口は壁深くに沈めた。

西日が入らないようにする為で、ここにテレビを埋め込んでいる。切り取られた景色によって、テレビの存在感をすこしでも押さえる為である。 この家には、家族4人とトイプドールが暮らす。広い庭にドッグランがあり、仲間が集り、そこに犬達が放たれる。その姿を眺めながら、サンルームでお茶を飲む。四季折々の景色を楽しみながら。

「お友達とお茶するときにコーヒーとデザートプレートを出すと、ほんとのCafeに来たみたいと、感動してくれるんです」と奥さんが教えてくれた。

LDKにはスピーカーが埋め込まれ、音質にもこだわっている。「大学生の長男は、家が揺れるかと思うくらいの大音量で音楽を楽しんでいるんですよ」とも。 撮影の際、見事な山桜が咲いた。人によって幸せの形は本当に様々。設計とは、未だ新しい発見の連続である。

概要
作品名 滋賀の家
ジャンル 一軒家 , 自宅
所在地 滋賀県野洲市
延床面積 153.31 ㎡
ロケーション 郊外
設計から完成までの期間 1年6ヶ月
予算帯 3,000万円台

守谷昌紀|もりたに・まさき| 一級建築士事務所アトリエm

夢は必ず実現する、してみせる。