家族で来院して頂き、家族として接するクリニック｜オフィス・事務所

さかたファミリー歯科クリニック -庇にスポットライトを- この医院のコンセプトはその名が全てを表していると思います。

「家族で来院して頂き、家族として接するクリニック」 医療とは最もシンプルな社会貢献の1つです。

ただそこに、どれだけ心を込めるかで、全く別次元の行為となります。

「家族のように」ではなく、「家族として」なのです 。

クライアントは、全く縁のない地域に土地をみつけ開業しています。

それゆえ、街のアイコンとなるような建築が求められました。

アイコンはイコンを語源とし、ギリシャ語でイメージを指す。家族として接するには、まずは思い出してもらい、足を運んで貰わなくてはならない。

日本における木造建築は、高温多湿の環境から建物を守るため、深い軒と庇を必要とした。

その中でも、庇は主従の関係でいえば「従」の存在です。

その庇を、「主」の存在にしてみたいと考えました。

建物全体に設けた4段の庇は、外壁へ当たる直射を抑え、夏のエネルギー負荷をを抑制してくれます。木陰が連続して4層あると思って貰えれば分かりやすいでしょう。当然ながら雨から建物を守る役割も果たします。

それらは、最終的に「人や地球に優しい」へと繋がります。

人や地球を思う物語を加えてくれるのではと考えました。 「庇」は、自生する木にとっての「葉」の役割に似ています。

このクリニックを一本の大木と見立てれば、アルミの葉のような存在です。

最も強い日差しから幹を守る葉が、現場の最前線で働く人々と重なってみえます。

高度情報化社会において、こういった人達を、ないがしろにしてはいないでしょうか。

これが、主従を逆転させてみたいと思った動機でもあります。

北側の道路からアプローチすると、2層吹抜けのエントランスがあります。北側開口なので常に安定した明るさを確保し、天窓くっきりとした光がおちてきます。

広い通路は待合も兼ねる空間で、一気に奥まで見通せます。

また、診療室に入ると医療動線が完全に分離されており、スタッフがベストのパフォーマンスを発揮できるような配置とした。

医院の目的はただひとつ。長く地域の皆さんに愛して貰うことです。

建築は夢や希望を形にしたものであって欲しいと思う。院長、スタッフの夢が地域の人々に届くことを心から願っています。