フルサイズSUVやバイクが入るガレージハウス


40年程前に開発された住宅地に建つ住宅です。

住宅地全体がほぼ南に傾斜しており、どの住宅も日当りの良い環境になっています。

住宅地の開発当時に新築された住宅がまだ多く残っており、今回の敷地にもその当時の既存家屋が建ったままとなっていました。

そこで、既存家屋は解体したが、既存の門柱はそのまま残しました。

また、開発当時の土留めは、ガレージ前は撤去し、それ以外はそのまま残すことでほぼ平坦な敷地として計画を行っています。 オーナーからの要望の中で一番大きなものは、趣味のフルサイズSUVやバイクが入るガレージを屋内に設けることであったが、本敷地には下記の要件があったため、「ガレージをどこにどのような形で計画するか」が大きな課題となりました。

  • 崖条例のため、傾斜上側に位置する外壁は所定の高さまで開口の無いRC壁とする必要があり、同時に北側でもあるので高度地区の斜線制限がかかっていた
  • 西側と南側の2つの前面道路が傾斜しているため、どちらの道路も傾斜下側は道路斜線が厳しいものであった
  • 用途地域により、建蔽率・容積率共に余裕が無かった。 そこで以下の方針を立て、スタディを進めていった
  • フルサイズSUVを入れるためには、間口もさることながら、高さも必要になるため、敷地の中で一番低い場所に当たる二面道路の角に寄せてガレージを計画する
  • ガレージを屋内に設けることで屋内空間として確保できる空間が制限されるため、その対策として屋上レベルにテラスを設ける

これは、建蔽率や容積率の対象とならない部分(屋上)に、さまざまな用途での利用が可能なフリースペースを設けることで、屋内空間を建蔽率・容積率の最大限度まで広げながらも、1・2階で納まるように計画しつつ、斜線制限にかからないように、高さ方向はコンパクトに階を重ねました。

それにより、ガレージ位置を基準に、前面道路の高低差に合わせて、5層の階で建築全体を構成した。

最下層のガレージレベルから、最上層の屋上テラスまで、階段を中心にぐるぐると上がって行くイメージです。

どのレベルの階段も、通常の住宅の1階分の高さに満たないので、動線としてのレベル差はそれほど感じないはずです。

屋上テラスレベルと主室レベルとの間に、主寝室のあるレベルが一つ入ることで、屋上テラスと主室とを意識的に遠く感じさせない工夫をしています。

ガレージ前は出入口のため、既存の土留め壁を一部撤去することにしました。

アプローチとエントランスは北側に設け、敷地の高低差をそのまま利用する計画としたため、ガレージレベルからは1m程上がっており、ガレージから屋内でエントランスに入ることができます。

1階には他に個室・洗面室・バスルーム・シューズクローク等があります。そして、 2階に上がると、南側には光を取り込む大きな木製の開口と壁一面の本棚をもつ主室があります。

床は落ち着いた濃い茶色で、天井・壁は白を基調とし、壁は主にクロスを使い、キッチン側の屋内壁は左官、天井は構造表しで塗装というように、同じ白でもいくつかの仕上を使い分けています。

オーナーからキッチンは開きすぎず閉じすぎずとの要望があったため、天井まで達しない壁を作り、その壁に配膳等の作業カウンターの開口を一部にあけ、 人が行き来するところは壁をアールにして演出をしました。そのためキッチンや主寝室は朝日が入る東側に面して配置した。

屋上テラスはこの建築の最上部にあり、一部開けた開口からは隣家の屋根越しに遠くの山や空が見渡せる。 隣地や道路側は板張りの壁で囲い、プライベート性の高いテラスになっています。

与条件の中で、ガレージと住居部分のバランスと配置を十分検討することで、趣味空間を確保しつつも居住性に配慮した住宅が出来上がったと思います。

概要
作品名 青梅のガレージハウス
ジャンル 一軒家 , 自宅
所在地 東京都
ロケーション 郊外住宅地、雛壇
川勝 崇道

川勝 崇道

京都市と美山町を拠点として活動している設計事務所です