家+庭=家庭、的な住宅


敷地 大阪市の南東端にある平野区は、町工場が混在する住宅地です。

計画地は駅が近い事もあり、周りには小売店舗も多いです。

私の育った街からも近く、職住が入り混じる街並みは自らの原風景です。隣地の銭湯が僅かながら下町の風情を残しています。

クライアントからの要望は内外ともRC打放しの家です。

長所、短所をよく話し合った結果、北側は断熱材と仕上を施し、南側の主たる空間は内部も打放しとした。

また、“設計を楽しんでほしい”というメッセージも頂き、意気に感じて設計に取りかかりました。

2階は、西側の箱に寝室、東側の筒に和室、それらを結ぶ北側に水周り、動線部を配しました。寝室は光を取り込みすぎないよう配慮し、反対に和室は筒の奥深くまで光が届くよう、最高部まで開口を求めた。

その上で身長程の独立壁を設け、視線を遮る役割を与えています。その壁が精神的な安心感と、強い影、鮮烈な光をもたらす事を期待したからです。

庭、中庭、アプローチ等の外部と、内部の空間は、躯体のずれが生む中間領域によって結びつけられています。

RC壁式構造の躯体を、美しさへ高めるのは“贅肉の無い造形”。取り除けるものは徹底的に排除し、その姿勢において妥協しない事を自分に課しました。

それが品のある建築に繋がると考えての事です。

概要
作品名 加美の家
ジャンル 一軒家 , 自宅
所在地 大阪府大阪市
間取り 2LDK
基礎 コンクリート
外壁 コンクリート
屋根の形 コンクリート
コンクリート
フローリング
構造 コンクリート
ロケーション 住宅地
設計から完成までの期間 1年強

守谷昌紀|もりたに・まさき| 一級建築士事務所アトリエm

夢は必ず実現する、してみせる。