誰もが行きたくなる写真スタジオ|一軒家・自宅
2008年の2月、写真スタジオの新築計画がスタートしました。
クライアントの想いを聞くうちに、「写真は誰の為にある?」と考えるようになりました。
門真市は大阪と京都の中間に位置し、東には生駒山を望む。その北端に京阪萱島駅はあり、駅から住宅地の路地を抜け、3分程のところにOhanaはあります。
1階のレセプションは、対面式カウンターでなく「センスの良い知人宅のリビング」と設定しました。正面の扉はロゴカラーの黄色をつかい、丸窓をあける。小さな子供がのぞきたくなるよう考えたものであります。
2階のスタジオは天井高3.5mを確保し、自然光でも撮影できるよう、様々な形の窓をあけました。
撮影に必要な光、背景としてのデザイン、子供の遊び心をくすぐります。この3つのバランスを考えながら配置しました。
南面の大開口とベンチは、孫や子供を見守る家族、肘を掛けて外を眺める被写体、お茶を飲むスタッフ、と色々な場面を想像し、慎重に位置や高さを決めたものであります。
ハレの日には 建物は出来る限りセットバックし、前庭を確保した。
その西側に楕円を描く列柱を建て、背面にある住宅との境界としました。天気の良い日には、外部スタジオとなるよう計画したもので、互いの視線を緩やかに遮り、来訪者を抱くような形態をイメージした。
写真スタジオは、ハレの日に訪れるもの。折角の晴れ姿は、出来るだけ皆に見て欲しい。よって、レセプションとスタジオを繋ぐ動線は街へ開きました。
お宮参り、七五三、成人式、それを見守る家族。それを見かけるだけで、頬が緩むものです。だからこそ、 ハレの日にOhanaに出かけましょう。
全ては、そんな場になって欲しいという願いです。 誰の為、このデジタルカメラ全盛の時代に、写真スタジオでしか感じられないものがあると思う。
扱うのは写真だけでなく、時間、体験、空間、全てなのだと、写真家であるクライアントの名刺にはこうあります。
「happyでnaturalな写真を写します」 写真スタジオの可能性を共に模索し、たどり着いたのがOhanaです。
また、「Ohana(オハナ)」とは、ハワイの言葉で「家族」や「仲間」を意味します。当初、私が抱いた問いの答え、そのものだったと思います。
概要 | |
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作品名 | kayashima photo studio Ohana |
ジャンル | オフィス・事務所 |
所在地 | 大阪府門真市 |
間取り | 打合せスペース、オフィス、スタジオ |
基礎 | コンクリート |
床 | フローリング、タイル |
構造 | 鉄骨造 |
設計から完成までの期間 | 1年 |