「あの森のOHANA」かやしまフォトスタジオ‐1‐プロローグ|家結びブログ

サブタイトルサブタイトル

2008年の2月18日にオファーを貰い、翌年の9月28日に完成したのが「かやしまフォトスタジオOhana」である。

守谷昌紀20210609_1(家結びブログ)

元の店舗は京阪萱島駅の高架下にあった。

守谷昌紀20210609_2(家結びブログ)

創業者は、現在の店主でありカメラマン石井さんの御尊父である。

守谷昌紀20210609_3(家結びブログ)

高度経済成長期、DP店と言われる現像やプリントサービスは、大変に繁盛したそうだ。

しかし、デジタルカメラ時代に入り、新しい業態へと変化していく分岐点にあったのが新店舗計画だった。

守谷昌紀20210609_4(家結びブログ)

外部スタジオとして計画したのが35本の列柱。

H鋼は少しずつ隙間を空け、風も通るようになっている。

その後ろに見えるのが、創業者のご自宅だ。

守谷昌紀20210609_13(家結びブログ)

大手プレハブメーカーの建物で、そのワンユニットを撤去し新店舗を設計した。

文字通り、Ohanaとは一心同体だったのである。

守谷昌紀20210609_14(家結びブログ)

「センスの良い知人宅のリビング」と設定したレセプション。

守谷昌紀20210609_15(家結びブログ)

2階のスタジオも背景の為の背景はやめて、自然光でも撮影できるよう、様々な形態の窓をあけた。

守谷昌紀20210609_8(家結びブログ)

そしてご家族の、ナチュラルでハッピーな写真を写し続けてきたのである。

守谷昌紀20210609_9(家結びブログ)

ひとり増え、ふたり増えと、毎年撮影にきてくれるご家族も多い。

守谷昌紀20210609_10(家結びブログ)

2011年には『第5回キッズデザイン賞』を受賞し、私としても自信を持たせて貰った仕事だった。

しかし今回、府の道路拡張事業にともない、解体撤去しなければならないことになった。

新しいOhanaは、現在の店舗のコンセプトを踏襲するも、更なる発展をしなければ意味がない。

100m程離れた新敷地を初めて見せて貰った時は、私がひとりはしゃいでいた気がする。

新店舗のコンセプトは「あの森のOhana」だ。

守谷昌紀20210609_16(家結びブログ)

敷地の回りに空地があり、そこに多くの樹々が植わっている。

計画の推進力はクライアントの情熱だが、その方向性を決定するのは、動機と環境だと考えている。 

守谷昌紀20210609_5(家結びブログ)

この環境を、生かし切りたいと考えたのだ。

守谷昌紀20210609_7(家結びブログ)

1階のレセプションは、一回り大きくなった。

守谷昌紀20210609_12(家結びブログ)

2階のスタジオも、石井さんが最高の仕事をできるよう、理想的な大きさを綿密に確保した。

守谷昌紀20210609_11(家結びブログ)

「あの森」は木が生い茂っているという意味だけではない。

誰の心の中にもある、何かワクワクするような場所……

第二幕の開演である。

守谷昌紀20210609_6(家結びブログ)

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

久和原忠|くわばら・ただし|久和原建築事務所

大阪を拠点に活動している建築設計事務所。