緑と共生する都市型住宅|一軒家・自宅
昭和初期に建てられた家やサイディング張りの家までが無秩序に混在する都内の住宅密集地が敷地です。薔薇づくりが趣味の80歳を過ぎたクライアントの要望は薔薇を育てる庭をつくること、将来もし体が不自由になった時のためへの配慮、でした。
リビングの吹き抜け部分に二層分の開口部を全面にとることによって、住宅空間全体で庭、薔薇を感じる事ができるような構成をとった。外部に面するガラスはLOW-Eガラスと防犯ガラスの複層にし、冷暖房の負荷の軽減、防犯にも配慮しています。
開口部が大きくプライバシーが気になる面もあるが、庭が室内と道路の間でほどよい緩衝地帯となってくれている。西日避けも兼ねて西側開口部の外に設けられたワイヤースクリーンを薔薇がつたい、それがテラスの手摺りづたいに屋根まで伸び、『薔薇の家』といった様相を呈しています。
二階のピアノ室以外は一人のための空間として考えられている。水平にも垂直にもつながったワンルームの中にピアノ室が独立した空間として存在しています。一階、二階、ロフト階とフロアのラインをずらすことにより、重層する空間を一階のリビングから感じる事ができます。
将来、もし体が不自由になって、ほとんど一階の部屋から出る事がなくなった時でも少し体を移動させることによって庭や、内部空間全体を感じることができると同時に、室内の景色が変化に富むことを意図しています。
ピアノ室は大きな開口を吹きぬけに面してとり、外部に面する開口部を少なくしながらも、十分な光を得、テラスの薔薇も見ることができます。 足腰が弱くなり二階に上がれなくなった時のために、一階で全ての生活は行えるような配置にしている。一階のトイレに間仕切りが全くなかったり、脱衣室がないのは、将来の介護に備えてです。
概要 | |
---|---|
作品名 | 上高田の家 |
ジャンル | 一軒家 , 自宅 |
所在地 | 東京都 |
構造 | 鉄骨造 |
延床面積 | 79.87㎡ |