家族が快適に過ごせることを第一に考えた住宅|一軒家・自宅


この家は住宅街の中の限られたスペースに、質の高い環境、家族のプライバシーの守り方、現代社会の住宅においての家族のコミュニティースペースの在り方をどうつくっていくかという 事が課題でした。

敷地は、3面が道路に囲まれており、隣地の東側には2階建て木 造アパートが経っているという土地でした。

そこで、木造アパートからの家族のプライバシーを守るために、三角形に長く突き出したアプローチと先端の外部ストックを作ることで隣の木造アパートからの視線を遮り、アパートに家族の視線が行かないようにしました。

また、南側に大きく突き出した階段踊り場の多目的ルームの下は駐輪場として活用されるようにしました。

そうすることで、住宅としての生活の用途と機能、そしてデザインが一体化した空間が出来上がり、そういった空間を創りだすことを最も大切に考えました。

また、この建物は、在来木造軸組構造に加えて、面剛性を高めることで、通常の木造住宅では不可能とされた形を可能にし、真四角の箱を引き出したり、押し込んだりして独創的な外観を作りました。 南側上の大きく突き出したBOXは家族の多目的ルームで、この共有のスペースは、階段の踊り場を広めに設計することで生まれました。

リビングからも目が届くので、ひとり一人、個々に違うことをし ていても、すぐそばに家族が居るかのような安心感が生まれます。

このような空間は、リビングを中心に、これからの家族間のコミュニケーションの取り方を考慮して設計をしました。

空間をデザインする際に、ただ単に表層的に形を作るだけでなく、人を基軸とし、機能・モノ・環境などあらゆる要素を調和させた結果、そこにしかない、魅力的で良質な空間と スタイルを生み出すことができたと思います。

概要
作品名 T3-house
ジャンル 一軒家 , 自宅
所在地 福岡県那珂川市
構造 木造軸組み面剛性工法
佐藤 正彦

佐藤正彦|さとう・まさひこ|アーキテクト憧|一級建築士事務所

人の動きや流れ、そして心を設計します