整えて

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アイランドキッチンが、すっかり私たちのキッチンになっています。

Tさんの依頼はちょっと変わったものでした。
ご新居に引っ越すにあたって、「カウンター下収納を作りたい。」と言うのが、そもそものスタートでした。
そうしていろいろとお話をしてくうちに、ただのカウンター下収納ではなく、「キッチンを含めてトータルにウォールナットという木を使った印象にまとめたい。」と言うお話に膨らんだのでした。
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今回、ひとつ面白い試みとして、カウンター下収納の奥行を延ばす、ということを行いました。実際のキッチンの対面カウンターの下は、収納が作れるような奥行が取れないサイズでしたので、ウォールナットの無垢の甲板を足すことで、奥行をかせいだのです。

キッチンのまわりを造作できるということが分かってから、Tさんの気持ちはまだまだ膨らみます。
「実は、食器棚も考えているのですが、箱や引き出しなどは私のほうで用意するので、扉と引き出しの前板を作って頂けますでしょうか。もし、可能でしたら今書斎で使っている本棚にも扉をつけてリビングで活用したいのですがいかがでしょうか・・。」
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そして、サイドパネルでこうしてキッチンを覆うともう、すっかりウォールナットのキッチンです。

ちょっとした難題です。
Tさんが使いたいと考えているのは、IKEAのカップボードと本棚でした。本棚は、今まで使っていたもので、ご自宅にお伺いした時に採寸ができたのでどうにかご新居に合わせられそうでした。
が、食器棚のほうは、これから購入されるというもので、さらにご新居には内覧会になるまでお部屋に入れないので、果たしてきちんと納まるかどうか判断しきれない部分があったのです。
それでも、事前に頂いていた図面からどうにかいけるかな・・、と判断して、プランを考えていきます。
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カウンター下収納の扉は手掛け。

IKEAの食器棚を組み合わせても、キャビネットのサイズが規格で決まってしまっているので、オーダー家具のように壁にぴったりと言うのは難しいものです。そこで、高さや幅を調整できるパーツを設計して、それでうまく納まるように考えたのでした。
うまくいくといいな。

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こちらが本棚。

内覧会当日。採寸を行うと、カウンター下収納、食器棚は問題なさそうです。しかし、本棚は、設置場所のサイズと本棚自身のサイズがかなりギリギリです。そこでやはり本棚の一部を工場でカットして、ご新居の壁に回っている巾木を避けることができるように細工をして、取付に臨んだのでした。
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食器棚は、扉と引き出しの前板のほかに、サイドパネルや巾木を作ったので、まるですべてウォールナットでできたオーダー食器棚のようです。

結果としてうまく納まったのですが、残念ながら私は今回取付工事に参加することができなかったのですが、会社に戻った村上君と金井君の顔は疲れておりました。(笑)
朝8時頃に出て行って、午後10時を回るころに戻ってきたからでした。
「どうだった。」
「いやあ、大変でした。でも何が大変だったのか自分でも分からなかったのですが、気が付くと、もうこんな時間になってしまっていて・・。でもきれいに納まったのでよかったです。」
ふだん私たちは、工場で一度家具をすべて完成した形に仮組みをすることが多いので、現場では比較的時間が掛かっても先が読める作業なのですが、今回のように現場で組み立てたり接着したりが多いとどうしても時間が読めなくて、その分気持ちも苦労するのです。
大変、お疲れさまでした。ご苦労様でした。
その後、Tさんのお宅にあらためてお会いしまして、家具の様子を拝見させて頂きました。
「いろいろと大変な作業だったようですが、こんなにきれいに納めてくださってありがとうございました。」
とおっしゃって頂けました。
良かった、ありがとうございました。

プロフィール

今井 大輔(フリーハンドイマイ)

注文家具屋 フリーハンドイマイ

私たちが作るのは、注文家具です。たった一枚の棚板にも、作る人・使う人の思いが込められています。
ふっと何気なく戸棚の扉を開けた時、
「あっ、これが注文家具なんだ・・・。」
と言ってくださった方もいらっしゃいます。

私たちが作るのは、注文家具です。私たちが提案するのはその家具がお部屋に運ばれたあとの暮らしです。使うその人の暮らしを演出し、また永くつきあってゆけるものを私たちはつくり続けています。

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