ザ・リッツカールトン京都

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441号室に宿泊した際の、インテリアチェックのお話です。
旧ホテルフジタの跡地を受け継ぎ2014年に開業した、ザ・リッツカールトン京都
建築主は「積水ハウス」
構造設計外観は「日建設計」
レストランは「デザインスタジオスピン」
内装設計は「イリア」
客室とパブリックのインテリアデザインは「レメディオスデザインスタジオ」のデザイナー、ピーター・レメディオス。
・・・と、そんな顔ぶれ。
建築としての詳細は各業界紙で詳しく取り上げているので
興味のある人はそちらを読んでみてくださいね。

例えばこれとか。
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商店建築2014年4月号

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商店建築社 (2014-03-27)
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で。

私はただ単に、お部屋のインテリアメインに宿泊日記をかくだけです(笑)

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京都という場所柄、高さ制限や景観の規制がありまして
地下3階地上4階建ての低層建築となっています。
外観はすごく質素な佇まい。
その外見と、豪華な内装とのギャップがすごいのでした。
高級な素材を贅沢に採用してラグジュアリー感満載。

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最初のエントランスをくぐると、ウェルカムホール。
麻の葉模様の組子を仕込んだカウンター、壁には七宝模様のセラミックタイル。

この組子は、富山の「タニハタ」という会社が納入したようです。
私もどこかでこんなデザイン取り入れる時には
ぜひタニハタさんに相談してみたいと思いました。

そして空間に漂っている「いい香り」
見えないところからアロマを炊いているのだろうと思います。

ホテル全体に、
伝統的な文様をあしらったり盆栽を置いたり町屋を思わせる格子など
日本的なデザインを濃く取り入れています。
基本的には「和のコンテンポラリースタイル」のデザインなのでしょうが
それを徹底的にラグジュアリーに引き上げた、というそんな感じでした。

(アートコンセプトは「源氏物語」だそーです)

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客室のドアも、七宝模様の組子。
エントランスは縦格子。
写真は撮りませんでしたが、共有フロアやロビーにも縦格子はふんだんに使われていました。
黒を基調として全体的に明るさを抑え、
明と暗のめりはりをきかせた町屋建築の風情を感じます。

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さてお部屋に入ります★
ふたまたにわかれる間取りになっています。

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まっすぐ左手側に進むとミニバーの前を通ることになります。
幅広150㎜のナラ材のフローリング、
横桟の格子デザインのミニバーには冷蔵庫と、各種ドリンク。
ネスプレッソマシンやワイン、食器類が備え付けられています。

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リッツカールトン価格で、
ビール900円、コカコーラとレッドブルは600円。
フルーツジュースは1200円。
まぁ、そんなとこでしょうね。

マシンで煎れるコーヒーと紅茶はサービスです。
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引出部分には間接照明が仕込まれていて
家具金物は、Blumのブルモーションが使われていました。

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これだけでもう、
なんだか贅沢な気分になってテンションがあがる、っていうね。
シックなミニバーです。

右手側はお風呂と洗面の水回りエリアを通ることになります。

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ミニバーと同様のデザインでしつらえられています。
格子とかね、こういうところのサイズや納まりが
いちいち気になるインテリアコーディネーター(笑)

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格子部分はすべてFIXパネルになっていまして
収納できるのはオープンになっている下のところだけです。
赤く塗られて間接照明でライトアップされ
ホテルオリジナルのタオルがセットされていました。

ザ・リッツカールトンのタオルはとっても分厚くて
吸水性がよくて肌触りがよくて、本当に大好きです私は。
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カウンターの際の処理(コーキング)は最小限のサイズ感でとてもきれいでした。
どれだけきちんと採寸をして現場を納めたかという、
工事の丁寧さが想像できます。
ちなみにカウンターの厚みは45㎜でした。
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ごみ箱はこの位置にさりげなく。
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アメニティーは、ザ・リッツカールトン大阪でも同じだった「アスプレイ」です。
蒔絵の蓋付き塗箱にセッティングされたホテルオリジナルは
ハブラシやソーイングセットなど。
他に「京都しゃぼんや」の手作り石鹸が添えられていたのが京都らしいセレクト。
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っていうところを通過して、お部屋に入ります。
フローリングからカーペットに床が切り替わり、
大きな窓が正面に。
それを取り囲むようなファサードが作りこまれていて
グルっと間接照明で浮き立たせるデザイン。
「縁側」をコンテンポラリーに表現するとこんな感じ、という空間です。

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シックで豪華。素敵~。
残念ながら441号室は川沿いのお部屋ではなかったので外の景色はイマイチですが
室内は無駄がなくさっぱりとしていて気持ちのいい空間です。

さて。
お部屋に通されて、ここではじめてチェックインの手続きです。

ホテルのエントランスに入る手前で
スタッフの人が駆け寄ってきまして「ご宿泊でしょうか」と名前を聞かれます。
その瞬間にどこからともなくボーイさんが表れて
手荷物をすべて持ってスっと消えていきます。

チェックインカウンター前で、着物を来たサービスマンに入れ替わり、
そのままお部屋に案内されます。
廊下ですれ違うキャストが一様に
「こんにちは、三宅様」
「三宅様、おかえりなさいませ」
と声をかけてきます。

到着した瞬間からすばらしい連携でスムーズに部屋に通され
客の名前を他のキャストが瞬時に共有している。
ホスピタリティが徹底していてとても気持ちが良いのです。

というわけで、部屋で書類にサインをし、一通りの説明を受け
チェックインの手続きが終わるころに
ボーイさんが表れて私の荷物を部屋に置いてスっとまた消えていきました。
忍者のようです(笑)

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風邪の治りかけでゴホゴホっと咳をしましたら
「あら、三宅様、お風邪でございましょうか。ノドにいいものをお持ちいたしましょう」
そういって、すりおろしたジンジャーとはちみつ、
たっぷりのお湯をいれたポットを持ってきてくれました。
なんかこれがやけにおいしかった。
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インテリアは、ナラ(オーク)材の木と黒を基調として
とてもシックにまとめられています。
壁紙は一切なくて、木パネルが贅沢に使われています。
天井も壁紙ではなく白く塗装されていました。
ちなみに天井高は一番高いところで2650㎜、
一番低いのは縁側のファサードのところで2200㎜です。

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よくホテルにあります「デスクコーナー」がこの部屋にはありませんでして
かわりに丸いダイニングテーブル(φ1200)とイスのセット、
脇にはブラック塗装されたナラ材の家具がおかれています。
盆栽が添えられて客の目を楽しませるアイキャッチコーナーになっているのだけれど
実はここにさまざまな雑多なものが集約されていました。
フロントへつなぐ電話、テレビのリモコン、ホテル約款、筆記用具やメモ帳、
コンセントやLAN端子など。
特注家具の提案につかえそうだ・・と、大いに参考にさせていただきます(笑)

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特注家具といえば、テレビまわりにも仕掛けがありました。
角度が変えられるのでどこからでも見やすい位置にセットできます。
テレビの高さは、センターでH1350㎜、テレビの下端はH1020㎜の位置でした。

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窓回りには、遮光生地を縫い合わせた織物のドレープと、すだれ。
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非常にシンプルな生地ですがほんのりゴールドを感じる華やかなものです。
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ドレープカーテンもすだれも、電動で開閉します。
ベッドサイドのスイッチで操作します。
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ちなみにこのナイトテーブルには
目覚まし兼ラジオが置かれているのですが
なにをどうやっても電波が拾えず
いっこもラジオ局につながりませんでしたww
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ベッドスローや椅子のクッションは七宝模様、
ソファのクッションは梅や松、櫻の吉祥模様。
京都西陣織「細尾」の特注だそうです。
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ベッドのヘッドボードにも七宝模様の組子デザインで、
ウォールランプは青森のブナ材を使ったというぬくもりのあるデザイン。
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引き戸をあけると水回りにアクセスできます。
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室内は間接照明がふんだんに取り入れられていて
こまかくライティングが制御できるようになっています。
時間帯に合わせてさまざまなシーンが楽しめました。

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コンセントやスイッチのプレート
足元の巾木(?)
壁装パネルの目地、要所要所に黒をきかせています。
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ラゲッジルームは人感センサで、近づくと照明がつくようになっています。
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フローリングとカーペットの境目にある見切りなんぞは
3㎜ぐらいのシャープな納まり。
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塗りの家具やお盆、若手陶芸家のお茶セットなど
日本的要素を随所に。
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浴槽のあるお風呂で、床にはスノコ。
壁はサクラ模様をあしらったパネル仕立て。
手持ちシャワーと天井からのレインシャワーの2つが設置されていて
勢いはよくて十分な水圧。

(シャワーの水圧が弱いとがっかりしません?)
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しっかり部屋でくつろがせていただきまして
朝寝坊しながらリフレッシュいたしました★


翌朝は、ルームサービスでの朝ご飯。
私はどうも朝が弱くて出来るだけ部屋でゴロゴロしていたいのです。
シャワーを浴びて髪をドライヤーで乾かしている間に
テーブルセッティングをしてもらいます。

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いろんなジャムがついてきて嬉しい。
シルバーはクリストフル社のもの。


ところで、18~21時は随時ターンオーバーセッテングタイムです。
チェックイン時にはベッドスローが掛けられインテリア的に整えられているベッドを
寝る状態のベッドメイキングに直してくれるのです。
その時間帯はたいてい私はご飯を食べに出掛けるので不在です。
部屋に入られたくなければプライベートランプを点灯させておくのですが
それをしなければ不在の間に部屋にスタッフが入り
部屋を整えてくれています。

セッティングの何が変わるのかというと、
ベッドスローが外されて
ヘッドボードのところにカバーが掛けられていて、
枕元にグッドナイトチョコレートが置かれている、というわけです。
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というベッドでグーグー寝て、迎えた朝。
真っ白な無地のコットンシーツ。
シモンズのビューティーレストシリーズのマットレスのうえに、
さらに厚めのベッドパッド、さらに汗取りのベッドパッドという3層で
フッカフカの寝心地。

(ヘッドボードの高さは1100㎜、マットレスの高さは650㎜でした)
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えっと・・・寝相が悪かったでしょうか(笑)

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以上インテリアチェックでした。
ザ・リッツカールトン大阪のお話はこちら

プロフィール

三宅 利佳(ジェイブルー)

インテリアコーディネート事務所 ジェイブルー

●インテリアコーディネーター  980877A
●2級建築士
●AFT色彩検定 1級

美しく暮らすにはそれなりの努力が必要です。
例えば掃除、整理整頓、時々の模様替えや花を活けなおしたり・・・。

どうせすぐ使うから
どうせすぐ汚すから

そう言ってやりっぱなし出しっぱなし汚しっぱなしの生活は
確かに面倒がなくて便利ですが
便利ばかりを追求していてはあっというまに雑多な空間になります。

美しい部屋、居心地の良い部屋というのは
日々手をかけ続ける面倒臭さを内包しています。
でも、そのことを放棄しないでください。

部屋は人の心を表すと思いませんか。

インテリアコーディネーターがお手伝いできるのはほんの最初の舞台づくりだけ。

「こうありたい理想の自分」を思い描いて
ぜひ素敵な住空間を維持してください。
それが、生き方にもつながるのだろうと思います。

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